1.恐喝罪とは
恐喝罪とは、人を「恐喝」することにより、財物を交付させたり、財産上不法な利益を得たりした場合に成立する犯罪です。
刑法上は、次のように規定されています。
刑法249条 人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
恐喝というのは、人を脅すことです。単に脅すだけなら脅迫罪ですが、脅迫行為が財物の交付や財産上の利益に向けられていると、恐喝罪が成立します。
財物の交付とは、金銭などの「もの」を交付することです。これに対し、財産上の不法な給付とは、権利や利益を処分することです。たとえば、借金をしているときに、貸主を脅して無理矢理債務免除させると恐喝罪となります。
また、恐喝罪には未遂罪もあるので、相手を脅したけれどもお金を支払わせることができなかったケースでは、恐喝未遂罪が成立します。
2.強盗罪とは
強盗罪とは、暴行や脅迫によって相手の反抗を抑圧し、それに乗じて相手から財産を奪ったり財産上の不法の利益を得たりしたときに成立する犯罪です。
刑法上の規定は、以下の通りです。
刑法236条 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
恐喝罪との違いは、暴行や脅迫の程度です。単に相手を脅す程度であれば恐喝罪ですが、強盗罪の場合、相手の反抗を抑圧するだけの暴行や脅迫が必要です。
たとえば、ナイフをちらつかせて「殺すぞ」などと言ってお金を無理矢理支払わせると、強盗罪になります。
強盗罪が行われるときには、被害者を死傷させてしまうことも多いです。その場合には、強盗致死傷罪となり、非常に重い刑罰が適用されます。
強盗致傷罪(被害者に怪我を負わせた場合)の刑罰は、無期または6年以上の懲役刑であり、強盗によって人を死亡させたときには死刑または無期懲役刑となります。
3.恐喝罪、強盗罪で刑事事件になった場合の対処方法
恐喝罪や強盗罪で逮捕された場合には、適切な弁護活動を展開する必要があります。特に強盗罪の場合、窃盗などとは違って相当重い刑罰が適用されます。放っておくと、ほとんど確実に実刑になりますので、なるべく刑期を短くするために、早期に被害者との示談や民事賠償を進める必要があります。
また、被疑者被告人に有利な事情をなるべくたくさん拾い出して、検察官や裁判所に訴えることも重要です。
万が一、えん罪の場合には、無実の証拠をできる限りたくさん収集し、早期の身柄解放を目指さなければなりません。
恐喝罪や強盗罪で刑事事件になっているなら、お早めに弁護士までご連絡下さい。